北欧の文学
北欧の文学
北欧は児童文学の宝庫でもあります。
私たち日本人が幼い頃から親しんできた本の中にも、実は北欧生まれの本が多いのです。
美しい情景が描かれた北欧の名作は、子供も大人も楽しめる作品ばかりです。
ムーミン シリーズ
フィンランドのヘルシンキ出身の女性作家 Tove Jansson (トーベ・ヤンソン、1914~2001)の代表作。1945年にムーミン シリーズの第1作目『小さなトロールと大きな洪水』が出版され、その後の1970年までの26年間で書かれたムーミン シリーズは、『ムーミン谷の彗星』から、『ムーミン谷の十一月』までの9作品。
ムーミン谷で繰り広げられる、ムーミン トロールとその両親やガールフレンド、個性豊かな仲間たちによる、温かくほのぼのとした物語は、コミックやアニメーションとしても発売・放映され、今もなお世界中で愛されています。
本の紹介
一度は読んでおきたい、ムーミンの原作は、挿絵も美しく、子供から大人まで楽しめます。
手にとりやすい文庫版もあります。
ムーミン公式サイト
アンデルセン童話
貧しい靴職人の子として生まれたデンマーク出身の男性作家 Hans Christian Andersen (ハンス・クリスチャン・アンデルセン、1805~75)が30歳ごろから約40年間にわたって書きあげた童話作品。「私が書いたものはほとんどが私自身の映像である」と『自伝』のなかで述べられているように、どんな空想的な話の中にも作者の波瀾の人生の一片が封じこめられている。
『人魚姫』、『おやゆび姫』、『皇帝の新しい服』(はだかの王さま)、『みにくいアヒルの子』、『マッチ売りの少女』、『あかい靴』など、子供には読み聞かせたい、大人ならもう一度読み返したい、心に残る156篇。
本の紹介
完訳版(左)、アイルランドの幻想派挿絵画家ハリー・クラークのカラー挿絵が美しいもの(右)、また、子供向けから大人向けのものまで数多く出版されています。
ニルスのふしぎな旅
1906年にスウェーデンの女性作家 Selma Lagerlof (セルマ・ラーゲルレーヴ、1858~1940)によって書かれ、日本ではアニメ化もされた物語「ニルスの不思議な旅」は、スウェーデン教育会から「子供たちがスウェーデンの歴史や地理を楽しく学べる話を書いてください」との依頼を受けて書かれた本です。セルマ・ラーゲルレーヴは、女性で最初のノーベル文学賞作家。
少年ニルス・ホルゲルソンが妖精によって小人にされ、ガチョウのモルテンやガンの群れと一緒に、スウェーデン中を旅します。
本の紹介
完訳版は偕成社文庫から全4巻で出版されています。(一番左)
長くつ下のピッピ
スウェーデンの女性作家 Astrid Lindgren (アストリッド・リンドグレーン、1907~2002)によって1945年から書かれたシリーズ作品。
「あしながおじさん」にヒントを得て、リンドグレーンの小さい娘が、「ねえ、長くつ下のピッピって女の子のお話を作って」と母に頼んだことから生まれたのが、この世界一つよい少女の物語です。自由奔放に生きるピッピに、子どもは自分の夢の理想像を発見し、大人は愛さずにはいられない野育ちの永遠な少女を見出すのです。
リンドグレーンは、この他にも『やかまし村』シリーズなど、多くの名作を残しています。
本の紹介
他に、絵本やDVDなどもあります。詳しくは...長くつ下のピッピ