ポール・ヘニングセン
ポール・ヘニングセン(Poul Henningsen)のプロフィールとデザインについて詳しく紹介。
デンマーク
1894年9月9日 ~ 1967年1月31日
照明、家具
1916年、インテリアデザインの習作として初めてカットガラスのシャンデリアをデザイン。
1917年、ラーランタルト工科大学を卒業後、デザイン誌「クリツキー・レヴィ」の編集に携わる。
1919年、カールスバーグ社のためにシャンデリアをデザイン。また最初の建築設計契約となる、デンマーク学生ボートクラブを設計した。
1924年、なだらかな配光とグレアの減少を試みた、マルチシェードを鏡面仕上げした照明器具をデザイン。1925年のパリ工芸博覧会へのデンマーク参加に先立っての照明デザインコンペで入選し、ポール・ヘニングセンのルイスポールセン社との協力が始まった。
1925~26年にかけて、ルイスポールセン社と共同でコペンハーゲンのフォーラム展示会場の照明デザイン契約を取得。このプロジェクトで、今日「PHランプ」として知られる、三枚シェードで光を拡散・反射させる照明器具の原型が生まれた。
また、ポール・ヘニングセンは、照明以外に、クロームとセルロイド製のグランドピアノ、スチールパイプ製家具、バスルームの金物、机など様々なものをデザインし、建築家、家具デザイナー、社会評論家、詩人、映画プロデューサーなどといった、幅広く活躍した気鋭のクリエーターだった。
人、物、空間を光によってどのように照らすか
照明デザインにおいてポール・ヘニングセンが意図したのは、単に照明器具のヴァリエーションをふやすことではなく、人や物、そして空間を理想的に照らし出すための、良質な光を生み出すデザインの追求にほかならなかった。
ポール・ヘニングセンが照明をデザインする際に一番気を遣ったのは、絶対にグレア(光源を直接見たときのまぶしさ)が出ないこと。PHシリーズは全てがクリアしている。また、対数螺旋の曲線になぞって描かれたシェードによって、光を反射する方向を制御し、効率よく光を拡散させるようにした。
「近代照明の父」 と呼ばれるようになったポール・ヘニングセンは、その生涯において200種類以上のランプをデザインしたが、光の色、グレア、陰影といったような照明の基本事項をキーワードとした光に関する考察は、今日の照明文化においてもなお、重要な意義を持ち続けている。
ペンダントライト、シャンデリア
ポール・ヘニングセンの照明(ペンダントライト)
テーブルスタンドライト、フロアスタンドライト
ポール・ヘニングセンの照明(スタンドライト)
ポール・ヘニングセンについて書かれた本、作品集